フォークリフトの自分で出来る簡単な整備のやり方(エンジン車編)
2000年製以前

フォークリフトの簡単な整備の方法を覚えよう

点検の結果、清掃・補給などの整備が必要になった時に、簡単な整備について三菱フォークリフト(2000年製 以前)を例にして説明します。
整備の際は安全な場所を選び、安全作業に努めて下さい。また工具は適切なものを使用して下さい。エンジンは停止状態で行い、駐車ブレーキレバーを十分に引いてロックし、フォークリフトが動かないようにタイヤに車輪止めをするようにして下さい。

点検整備・修理作業を行ってもよいのは資格を有する人で許可された人だけです。誤った点検整備は重大な事故につながる恐れがあります。わからない事がある場合は、必ず購入先のフォークリフト販売店や専門会社にお問合せ下さい。

【目 次】

補給のやり方

  • エンジンオイルの補給のやり方
  • 冷却水の補給のやり方
  • ハイドロリックオイルの補給のやり方
  • バッテリー液の補充のやり方
  • バッテリー液の比重測定

 

その他、清掃・点検・調整

  • エアクリーナエレメントの清掃

  • エアクリーナエレメントの点検
  • オルタネータベルトの張り・損傷・調整
  • 駐車ブレーキレバーの調整

 

水抜き・エア抜き

  • 燃料フィルターの水抜き(ディーゼル車)

  • 燃料系統のエア抜き(ディーゼル車)

 

 

  • 相談できる業種・場所
  • 専門家に相談することがお勧めな理由
  • 自社サポートサービスのご紹介

フォークリフトの補給のやり方

エンジンオイルの補給

エンジンオイルの交換時期は一ヶ月または200時間です。

(1)ガソリン車の場合

ガソリン車

ディーゼル車

オイルフィラキャップを取り外します。

(2)

エンジンオイルを補給エンジンオイルを補給します。

【重要】

  • 作業は平地で行ってください。
  • 補給するときは、給油口からゴミなどが入らないようにしてください。
  • オイルの量は規定の範囲の上限を超えないようにしてください。
  • オイルをこぼしたときは、完全に拭き取ってください。
(3)

オイルの補給後、オイルの量が規定の範囲内になっているかをレベルゲージで確認します。

(4)

オイルフィラキャップを確実に取り付けます。

※ガソリン車は、オイルフィラキャップの矢印とエンジン上部の矢印が合うまで締め付けてください。

フォークリフトの冷却水の補給

(1)

冷却水が冷えてるときに、リザーブタンクの冷却水量を点検します。

※冷却水が熱いときは、冷却水面がリザーブタンクの〔FULL〕レベル位置より高くても異常ではありません。

(2)

リザーブタンクのキャップを取り外し、タンクの〔FULL〕レベルまで冷却水を入れてください。

【重要】

​冷却水の減り方が著しいときは、ラジエータ本体、ホースなどからの水漏れが考えられます。

(3)

冷却水を補給するときは、すでに混入されている不凍液の混合割合に合わせてください。

※新車の冷却水には工場出荷時、気温が-10℃まで使用できるように不凍液(ロングライフクーラント30%)を混入してあります。

【重要】

  • 水だけを入れることはしないでください。ロングライフクーラントの濃度が薄まり、防錆効果が低下し、エンジンに悪影響を与えます。必ず水道水(軟水)とロングライフクーラントの混合液を入れてください。
  • 冷却水は〔FULL〕レベルを超えて入れないでください。
(4)

補給後は、キャップを確実に取り付けます。

※キャップを取り付けるときは「パチン!」と音がするまで確実にはめてください。

(5)

通常はラジエータキャップを取り外さないでください。

ただし、リザーブタンクに冷却水がないときは、ラジエータのキャップを取り外し、ラジエータの口元いっぱいまで補給します。また、リザーブタンクにも冷却水を〔FULL〕レベル位置まで補給します。

【注意】

​ラジエータキャップを取り外すときは、エンジンが十分冷えていることを確認してください。冷却水の温度が高い時、急にキャップを取り外すと蒸気や熱湯が吹き出し危険です。水温が下がってから布切れなどでキャップを包み、静かに開けてください。

ハイドロリックオイルの補給

ハイドロリックオイルの交換時期は12ヶ月または2400時間です。

(1)

平地でマストを垂直にし、フォークを再下降状態にしてからエンジンを止めます。

 

 

(2)

レベルゲージを抜きます。

【注意】

運転直後のハイドロリックオイルは高温になっていますから、火傷に注意してください。

(3)

ハイドロリックオイルを補給します。

(4)

補給後、オイルの量が規定の範囲内になっているかをレベルゲージで確認します。

(5)

レベルゲージを給油口に差し込みます。

【重要】

  • 補給するときは、給油口からゴミなどが入らないようにしてください。
  • オイルの量は規定の範囲内の上限を超えないようにしてください。
  • オイルをこぼしたときは、完全に拭き取ってください。

バッテリー液の補充

(1)

バッテリ液は不足している時は、キャップを取り外し、各槽とも補給ラインまで蒸留水を補給します。

(2)

補給後は、キャップを確実に締め付けます。

※バッテリの清掃はキャップを締めた状態で行ってください。

バッテリー液の比重測定

比重計でバッテリ液の比重を測定する
比重(20℃にて) 状態 処置
1.260以上 1280まで 良好
1.220以上 1.260未満 大体良好 充電調整する
1.220未満 不良 充電する

【注意】

  • 充電は風通しの良い場所で行ってください。
  • 火気厳禁です。
  • バッテリ液の温度が35℃以下の状態で充電を開始してください。(50℃以上になったら35℃以下に冷えるのを待って充電を再開してください。)
  • 充電装置で充電を行う場合は、バッテリのキャップは外してください。

フォークリフトの清掃・張り・損傷

エアクリーナエレメントの清掃

エアクリーナエレメントは、原則的には交換してください。もし清掃する時は、次の手順に従って、エレメントを傷めないように注意して行ってください。

エレメント交換時期の目安表
標準 6ヶ月または1200時間ごと
特にホコリの多い路面 1ヶ月または200時間ごと
(1)

エアクリーナカップのクランプ(3か所)を外し、エレメントを取り出します。

(2)

エレメント内部から圧縮空気を吹いて清掃してください。

【注意】

圧縮空気を使用する時は、必ず防塵メガネとマスクを着用してください。

エアクレーナエレメントの点検

エレメント内部からライトを当て破損部分やピンホールがあったり、特に薄い部分がある時は交換してください。

オルタネータベルトの張り・損傷

ベルトの中央部を手で押して(押す力約10kgf)、たわみ量を点検します。この時、ベルトに損傷がないかも点検します。

ガソリン車 7〜9mm
ディーゼル車 10〜15mm

ベルトのたわみ量が上記の値を外れている時は、張り調整を行ってください。

【注意】

回転部分の点検は、エンジンを停止してから行ってください。

オルタネータベルトの張り調整

オルタネータ上下の取り付けボルト(黒矢印)を緩めてから、レンチハンドルなどで移動させます。

【重要】

  • 調整後は取り付けボルトをしっかり締め付けておいてください。
  • 張り過ぎは、ベルトやベアリングを傷めます。
  • ベルトに油脂をつけないでください。スリップしてベルトの寿命を縮めることになります。

 

※張り調整が必要な時や、ベルトの交換が必要な時は…

駐車ブレーキレバーの調整

駐車ブレーキの効き具合は駐車ブレーキレバーを〔フリー〕の位置にし、先端のノブを右に回すとよく利くようになります。レバーの操作力は、25〜30kgfが適正です。

フォークリフトの水抜き・エア抜き

燃料フィルターの水抜き(ディーゼル車)

(分配型ポンプ用)

燃料フィルタ水抜き時期警告灯が点灯するのは、燃料フィルタの底に規定量以上の水が貯まった時です。次の要領で排水してください。

(1)

エンジン右側にある燃料フィルタ底部の水抜き用プラグを緩めて排水します。

(2)

手動ポンプを押して(約7回)、燃料を送ると早く排水できます。

(3)

水抜き後は水抜き用プラグを確実に締め付けます。

【重要】

水抜き用プラグ部からは、燃料も同時に排出されます。周囲に付着した燃料は、よく拭き取ってください。

(4)

水抜き後は、燃料系統のエア抜きを行ってください。

(1)

(列形ポンプ用)

水抜きプラグを少しずつ緩めながら排水します。

燃料系統のエア抜き(ディーゼル車)

燃料切れによりエンジンが止まった時は、燃料を補給するだけではエンジンがかからないことがあります。このような時は、燃料系統に空気が混入したためです。次の要領でエア抜きを実施してください。

また、ディーゼル車の燃料噴射ポンプには分配形と列形の2種類あります。

(1)燃料フィルタ(分配形)

燃料フィルタのエア抜きプラグをスパナで緩めます。

(2)

エア抜きプラグ部に布きれを当てて、手動ポンプを繰り返し押します。エア抜きプラグから出る燃料の中の気泡がなくなればエア抜きは完了です。

(3)

エア抜きプラグを確実に締め付けます。

 

【重要】

  • エア抜きプラグから燃料漏れがないか確認してください。
  • 周囲に付着した燃料はよく拭き取ってください。

相談できる業種・場所

ご自身でできるトラブルの解決は多岐に渡るので、限界な部分もあるかと思います。まずは購入先のフォークリフト販売店にご相談下さい。通常、所在地や連絡先は保証書の裏面に記載されています。
保証期間が過ぎてしまっている場合は、フォークリフト専門会社でしたら必ず資格を有する整備士が在籍しておりますので、点検に関することはプロに相談するのがベストです。

 

専門家に相談することがお勧めな理由

ご自身でのフォークリフト点検方法が合っているのか不安なお客様がいらっしゃいましたら「月例点検契約」をお勧めします。
当社では正しい知識と技術をもった専属の整備士が、毎月お客様のところに訪問させていただき、フォークリフトの点検をしますので安心です。点検チェックシートに点検内容を記入しますので、どこが悪いかひとめでわかります。毎月の点検することにより故障を少なくし、燃料費や修理費の節約をする事ができます。その結果、経費削減だけでなく安全で能率的な作業を行うことができます。

 

自社サポートサービスのご紹介

「フォークリフトにエラー表示がでる」
「フォークリフトが始動しない」
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というお客様は、まずは【無料点検サービス】をご利用下さい。お客様のフォークリフトを10分程度で無料診断させて頂きます。出張料も無料です。

※神奈川・東京・埼玉・その他一部地域に限ります

「オペレーターがよくフォークリフトをぶつけて大きな事故を起こさないか心配!」
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などお困りのお客さまがいらっしゃいましたら、当社のフォークリフト安全運転講習やペーパードライバー講習がおすすめです。経験豊富で優秀な講師がお客様のところへ出張講習を行います。(神奈川・東京・埼玉・その他一部地域に限ります)

※ペーパードライバー講習に関しましては、出張は行っておりませんので当社までお越し頂き受講をお願いいたします。

 

こちらにフォークリフト学科試験問題と危険予知トレーニングの例を掲載していますので、職場の安全活動にぜひご利用下さい。朝礼の際に一日一問皆さんでやってみるだけでも、かなり効果があります。

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