バッテリーフォークリフトの点検に関するお役立ち情報
~フォークリフトの点検方法や消耗部品交換時期に関するお悩みの解決法を紹介~

「フォークリフトのメンテナンスや点検は、購入後いつから始めればいいでしょうか?」「どのような点検をすればいいのでしょうか?」「消耗品の交換時期はどの位ですか?」というようなご相談をよく頂きます。
ここではバッテリーフォークリフトの点検方法や消耗部品交換時期について解説していきます。


フォークリフトの点検の目的

フォークリフトの故障の原因を分析してみると、運転操作や日常の手入れが適切でないために起こったものが多いです。日常の点検を確実に行うと同時に正しい知識と正しい技術を身につけなければなりません。その努力を続けることが故障を少なく、燃料費や修理費の節約ができ、安全で能率的な作業ができます。

 

該当する法律

まず、ご自分で出来るフォークリフトの点検には「始業点検(作業開始前点検)」があります。事業者はフォークリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に始業点検を行わなければなりません。これは、労働安全衛生規則第151条の25で定められています。もし異常を発見したときは直ちに補修その他必要な措置を講じなければなりません。(労働安全衛生規則第151条の26)

 

点検を行う義務

始業開始前には、必ず始業点検を行う義務があり、その点検を実施した場合は点検結果を記録しなければなりません。

 

バッテリー取扱い上の注意点

  • 1
    バッテリーは取扱いを間違うと、引火爆発・破損や怪我の原因となります。取扱い法法や危険性を十分取得してから取り扱って下さい。
  • 2
    【火気厳禁】バッテリーは水素ガスを発生しています。ショートやスパークさせたり、たばこの火などの火気に近づけないで下さい。また充電中や充電直後30分以内は、爆発・火災の原因につながることがありますので、特に注意するようにして下さい。
  • 3
    【感電に注意】バッテリーは高電圧です。設備・保守・点検時に導電部に触れてはいけません。露出端子に触れると感電する恐れがあります。また充電中や充電直後30分以内は、爆発・火災の原因につながることがありますので、特に注意するようにして下さい。
  • 4
    【接続に注意】バッテリーの+端子とー端子を逆に接続して充電しないようにして下さい。発熱・発火・発煙・引火爆発につながります。
  • 5
    【金属類は置かない】バッテリー端子間にボルトや工具などでショートさせないようにして下さい。また工具類は火傷や引火爆発につながる可能性もありますので、全て絶縁テープを巻きつけたものを使用するようにします。
  • 6
    【清潔に保つ】常に清潔で乾燥状態を保つようにして下さい。バッテリーの清掃は充電前に行い、湿った布などで掃除し、乾いた布や化繊布で清掃ないようにします。また、はたきを掛けたり、ビニールシートをかぶせたりしないようにして下さい。静電気の発生により、引火爆発の原因となります。
  • 7
    【保護防具の着用】バッテリーの保守・点検は保護メガネ・ゴム手袋・ゴム底靴を着用するようにして下さい。
     

各箇所の点検方法や交換時期について

オイル漏れ点検

フォークリフトの下側(床面)を見て、エンジンオイル・潤滑油・作動油・ブレーキオイル・冷却水の漏れを点検します。

ブレーキオイルの点検と交換時期

ディスプレイでも、ブレーキオイルの点検はできます。キースイッチをONに入れ、ディスプレイに「ブレーキオイル ヲ キューユシテクダサイ」が表示されたらブレーキオイルを補充します。そしてブレーキオイルがタンクの規定(MAX位置)に入っているか及びオイルの汚れを点検する。

ブレーキオイルの交換時期は、FB15・FB20・FB25ともに12ヵ月または2,400時間です。ブレーキオイル量はFB15・FB20・FB25 すべて約130ccです。

バッテリー液量の点検

画像の説明を入力してください

バッテリーに取り付けられているレベルセンサーでバッテリー液を点検します。緑色の点灯は異常なし、赤色が点灯した場合はバッテリー液が不足しているので蒸留水または精製水で補充します。
1週間に1度、バッテリーに取り付けられているフロートでバッテリー液量を点検します。

 

チルトシリンダーの点検

チルトシリンダーからオイル漏れしていないかの点検をします。チルトシリンダーソケット取り付けピン、取り付けボルトの緩みを点検します。

 

タイヤの点検とタイヤ圧

タイヤの空気圧を点検します。次にタイヤの亀裂・損傷および編摩耗を点検します。また、タイヤのトレットの摩耗や溝の深さを点検をします。金属片・石・その他の異物の噛み込みがないかを点検します。ホイールナットまたはボルトの緩みを点検する。リム・ホイールディスクに亀裂・損傷および変形がないかを確認します。

タイヤの空気圧はFB15は前輪7,00kgf・後輪8,00kgf、FB20とFB25は前輪9,00kgf・後輪9,00kfg です。

ヘッドガードの点検

ヘッドガードの亀裂・変形及び損傷を点検します。ヘッドガード取り付けボルトまたはなっどの緩みを点検します。

 

作動油の点検と交換時期

フォークリフトを平坦な場所に置きます。マストを垂直にしてフォーク(爪)を最低位置に置きます。レベルゲージを抜いて布でふき、再度差込んでから、レベルゲージを抜きます。先端についた作動油量と汚れを点検します。
作動油の交換時期は12ヵ月または2400時間です。
作動油量は、FB15は20リットル、FB20は25リットル・FB25は29リットルです。

 

バックレストの点検

バックレストの亀裂・変形及び損傷を点検します。またバックレストの取り付けボルトの緩みを点検します。

 

フォークの点検と許容限度

フォークの摩耗及び亀裂を点検します。次に、フォーク先端の開き及び段差を点検します。フォーク止ピンの変形・亀裂及び摩耗を点検します。

FB15のフォークの厚さ基準値は35mm、摩耗許容限度は32mm、フォークの開き許容限度は20mm、フォーク段差の許容限度は5mmです。

FB20・FB25のフォーク厚さ基準値は40mm、摩耗許容限度は35mm、フォークの開き許容限度は20mm、フォーク段差の許容限度は5mmです。

 

リフトチェーンの点検

マストを垂直にし、フォークを10cm程度あげます。次に左右のフォークを車両中心に対し左右均等の位置にセットします。チェーンホイルとリフトブラケットチェーンの張りが均等であるかと点検します。最後にリフトチェーンの亀裂・変形・損傷及び腐食を点検します。

 

配管(ホース・パイプ)の点検

ホース・パイプの亀裂・損傷・老化や、ひび割れ及びねじれがないかを点検します。次にホース・パイプの継手部分からのオイル漏れを点検します。また取り付け状態およびボルトナットの緩み、脱落を点検します。最後に各シリンダーのオイル漏れを点検します。

 

灯火装置の点検

各スイッチを作動させて、各スイッチが正常に作動し適切に取り付けられているかを点検します。次にヘッドランプ・フロントコンビネーションランプ・リヤコンビネーションランプの本体およびレンズの破損・損傷がないかを点検します。最後に各ランプの明るさ・照射方向に異常がないかを点検します。

 

方向指示器・警報装置の点検

方向指示器を左右に作動させ、毎分60~120回の点滅を点検します。ハンドルを操作しながらホーンボタンを押して、どの位置でも作用するか、また音量・音質が適正であるかを点検します。
位置決めの点検は、レーザー光線を照射して、光軸がずれていないかを点検します。

 

シートの点検

シートカバーの亀裂・破損・損傷を点検します。次にシートの位置調整・ロック装置の作動具合を点検します。シート固定用ボルトまたはナットの緩み、または脱落がないかを点検します。最後にシートベルトのタングとバックルに亀裂・損傷及び機能を点検します。

 

足ブレーキの点検と遊び

足ブレーキの遊びを点検をします。足ブレーキは踏み込んだ時の足ブレーキペダルと床面の隙間を点検します。舗装道路を走行して、足ブレーキの効き具合および危機状態を点検します。

FB15/FB20・FB25のブレーキペダルの遊びは5~7mm、ブレーキペダルと床板の隙間は87+ー5mmです。

またフォークリフトは、制動初速度において停止距離以内で停止させることができる性能を有するものでなければなりません。(フォークリフト構造規格 第4条の第2項)
フォークリフトが無負荷状態で制動初速度が20kmの場合、停止距離は5メートルです。制動初速度が10kmの場合、停止距離は2.5メートルです。

駐車ブレーキと点検と操作力測定

駐車ブレーキをを引いたときに、引き代に余裕があることを点検します。そして駐車ブレーキレバーを垂直にし、グリップ先端にバネ秤を取り付け、駐車ブレーキレバーを後方に引いた時の操作力を測定します。
駐車ブレーキを後方に引いたときの操作力を点検します。
FB15・FB20・FB25は170~220kgfです。

フォークリフトは、勾配の床面で停止の状態に保持することのできる性能を有するものでなければなりません。(フォークリフト構造規格 第4条の3項)
走行時の基準無負荷状態では、20%の
勾配で停止の状態に保持できなければいけません。
走行時の基準負荷状態では、15
%の勾配で停止の状態に保持できなければいけません。
 

操舵装置(ハンドル)の点検

タイヤを直進方向に向け、ハンドルを左右に軽く回して遊びを点検します。次にハンドルを上下・前後に動かして、ハンドルの取り付け及びハンドルのガタを点検します。

FB15P・FB20P・FB25Pのハンドルの遊びは50~100mmです。上下方向の遊びは1.8mm移動できるのが正常です。

 

各 計器類の点検

キースイッチをONにします。新車時に設定されているセーフティーモニターマークが表示されます。異常がなければOKが表示され、またシートベルトを装着する指示が3回点滅します。

何らかの異常が発生している場合は、エラー画面が表示されます。

荷役装置の作動点検

マストを上下させたときに、インナーマスト・フォーク・リフトチェーン・各ローラーが円滑に作動するかを点検します。次にマストを前後に傾斜させ、チルトシリンダー・マストサポートが円滑に作動するかを点検します。最後にマストを上下および前後に作動させて時にガタ及び異音を発生していないかを点検します。

 

フォークリフトの管理

運転席回りの整理・整頓・清掃をします。エンジンルーム内やフォークリフト外観の清掃をします。フォークリフトの外観の傷があれば補修します。最後に今日稼働する分の充電はされているか確認します。

相談できる場所・業種

まずは購入先のフォークリフト販売店にご相談下さい。通常、所在地や連絡先は保証書の裏面に記載されています。

保証期間が過ぎてしまっている場合は、フォークリフト専門会社でしたら必ず資格を有する整備士が在籍しておりますので、点検に関することはプロに相談するのがベストです。詳しくはこちら>>

また定期自主検査(年次点検)に関しては、厚生労働省令で定められる資格を有する労働者又は厚生労働大臣もしくは都道府県労働局長の登録を受けた検査業者しか実施できないことになっています。
詳しくはこちら>>

専門家に相談することがお勧めな理由

ご自身でできる毎日の点検は多岐に渡るので、限界な部分もあるかと思います。フォークリフト専門会社でしたら、必ず資格を有する整備士が在籍しておりますので、点検に関することはプロに相談するのがベストです。
また点検だけではなく、故障しそうな箇所も事前にお知らせしてもらう事ができますので「急な故障でフォークリフトが動かなくなり、作業ができなくなってしまった!」という事も防ぐことができます。

自社のサポートサービスのご紹介

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毎月の点検することにより故障を少なくし、燃料費や修理費の節約をする事ができます。その結果、経費削減だけでなく安全で能率的な作業を行うことができます。
また故障した際の「どのフォークリフトに業者をすればいいかわからない!」「修理に来てもらうのに2・3日かかる!」という事を防ぐことができます。

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